動物たちの音楽会
ある日、森の動物たちが音楽会を開くことになりました。
みんな、とっても楽しみにしていました。
小鳥はきれいな歌を歌う練習を始めました。
「ピーヨ、ピーヨ、ピチュピチュピチュピチュ!」
ウサギは軽快なダンスの練習を始めました。
「ピョンピョン、ピョンピョン、ピョンピョンピョンピョン!」
キツネは情熱的なバイオリンの練習を始めました。
「キュッキュッ、キュッキュッ、キュッキュッキュッキュッ!」
ところが、クマはどうしても楽器がうまく弾けません。
「うーん、うーん、うーん・・・。」
クマは練習しても練習しても、ドレミファソラシドがバラバラになってしまうのです。
クマは落ち込み、音楽会に参加することをやめようと思いました。
「ぼくなんて、楽器がうまく弾けないから、音楽会に参加してもみんなに迷惑をかけるだけだよ。」
それを知った小鳥は、クマに優しく語りかけました。
「クマさん、楽器が苦手でも大丈夫だよ。あなたには、大きな声があるじゃない。みんなを笑顔にする歌を歌えばいいんだよ。」
クマは小鳥の言葉を聞いて、少し元気になりました。
「そうか、ぼくには大きな声があるんだ。歌を歌えば、みんなを笑顔にできるかもしれない。」
そして、音楽会当日、クマは大きな声で歌を歌いました。
「ドレミファソラシド、ドレミファソラシド、ドレミファソラシド!」
クマの歌声は、楽器の音色とは違った美しさがありました。
音楽会が終わると、動物たちはクマに拍手喝采を送りました。
「クマさん、素敵な歌声だったよ!」「ありがとう、クマさん!」
クマは、自分の歌声でみんなを笑顔にできたことが、とても嬉しかったです。
あとがき
このお話は、自分の個性や持ち味を発見することの大切さを教えてくれるお話です。自分に自信がない、そんな人でも好きなもの、得意なことはきっとあります。
みんなも、クマのように、自分の個性や持ち味を生かして、周りの人を笑顔にしてみようね。
得意なことだけでなく、苦手なことも、練習すれば必ず上達するよ。

わたしはおっとりした声だから絵本作家を目指したよ!
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