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鏡の奥の部屋

鏡の奥の部屋 怖い話
この記事は、FRONTIAのMisa(ミサ)が書き上げた新作の怖い話です。背筋がひんやり冷たくなる怪談・怖い話や都市伝説をお届けしていますので、ぜひご覧ください。

怪談ストーリー

学生時代から使っていた姿見がある。
特に高価なものでもないが、長年使っていて愛着があったから引っ越してからも寝室に置いていた。

ある日、ふとした違和感を覚えた。
夜、布団に入る前に鏡を見たときのこと。いつも通りの自分が映っている。

けれど、背後の部屋の様子がほんの少し違って見えた。

鏡に映る部屋は静かで誰もいない。なのにベッドの端に、うっすらと沈んだような影があった。
気のせいだと思って振り返ったが当然そこには何もいない。

それから数日間、同じようなことが続いた。
夜になると、鏡の中だけ部屋の照明が少し暗い。
壁のポスターの位置がずれていたり、椅子の角度が微妙に違ったり。

そしてある晩、とうとう見てしまった。
鏡の中のベッドに自分とは違う“誰か”が寝ていた。
それは顔がぼやけていたが、どこか自分に似ている気がした。

体が固まったまま、鏡から目を離せなくなっていた。
そいつは仰向けに寝ながら、ゆっくりとこちらに顔を向けてきた。
自分とまったく同じ顔が、鏡越しに静かに笑った。

その瞬間、スマホが震えた。通知には見知らぬ名前と短いメッセージが表示されていた。
「おかえり。待ってたよ」

振り向いても誰もいない。
ただ、鏡の中の自分だけがゆっくりとベッドから起き上がろうとしていた。

怖くなって布を被せ、鏡ごと壁に背を向けて寝たが、一晩中背中が冷えていた。

朝起きて怖々と鏡の布を外すと、そこにはいつも通りの部屋と自分が映っていた。
だがベッドのシーツが、誰かが寝たように少しくぼんでいた。

後日談

怖くなって鏡を粗大ゴミに出した。
けれど次の夜、玄関に置かれていた段ボールの中に同じ鏡が立てかけて戻ってきていた。
誰が届けたのか、管理人にも宅配業者にも心当たりがなかった。

その夜、鏡には何も映っていなかった。
自分も、部屋も、何も。ただの黒い空間だけがそこにあった。

そして、スマホに再び通知が届いた。
「入れ替わる準備できた?」

振り返った先、鏡のない壁にうっすらと、もう一つの自分の輪郭が浮かんでいた。

さっき見たその顔、本当に自分の顔だった?

怖い話怪談都市伝説

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