この記事は、FRONTIAのMisa(ミサ)が書き上げた新作の怖い話です。背筋がひんやり冷たくなる怪談・怖い話や都市伝説をお届けしていますので、ぜひご覧ください。
怪談ストーリー
大学生の夏休み、僕は一人暮らしのアパートで台風をやり過ごしていた。
外は暴風雨で窓が揺れ、停電のせいで部屋は真っ暗。スマホの灯りだけが頼りだった。
深夜、風の音に混じって「コン、コン」と窓を叩く音がした。
枝か何かが当たっていると思ったが、次第にその音は規則的になり、明らかに“ノック”のリズムを刻んでいた。
怖くなってカーテンを閉めようと近づいたとき、稲光で一瞬外が照らされた。
窓のすぐ向こうに、人の顔があった。
びしょ濡れの髪が貼りつき、瞳だけが爛々と光っている。四階のはずなのに。
慌てて後ずさると、今度は窓の下からドアへと「ドン、ドン」と叩く音が響き始めた。
雨音や風の音に混じり、そのノックだけがはっきりと響いている。
電気は戻らず、スマホの光に照らされた部屋の中で、ただ息を潜めるしかなかった。
数分後、音はぴたりと止んだ。
安堵したのも束の間、スマホに通知が届いた。見覚えのない番号からのメッセージ。
そこには、濡れた指でなぞったように歪んだ文字でこう書かれていた。
「つぎは入れて」
後日談
翌朝、台風一過で空は晴れていた。
恐る恐る窓を開けると、ベランダの手すりに泥のついた手形が三つ残っていた。
四階のベランダに、よじ登れるはずがない。
さらに数日後、同じアパートの住人から聞いた話では、台風の夜になると必ず誰かが廊下を歩き回る音がするらしい。
「ノックされたら、絶対に返事しちゃいけないんだよ」
そう言った彼の顔は、どこか怯えていた。

また台風が来たらどんなメッセージが来るかな





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