この記事は、FRONTIAのMisa(ミサ)が書き上げた新作の怖い話です。背筋がひんやり冷たくなる怪談・怖い話や都市伝説をお届けしていますので、ぜひご覧ください。
怪談ストーリー
秋の夕暮れ、公園の並木道は色とりどりの落ち葉で覆われていた。
赤や黄色の葉が風に舞い、道を歩く人々の足音を柔らかく吸い込んでいた。
その日、僕は仕事帰りにふと寄り道をして、その静かな並木道を歩いていた。
人影はなく、聞こえるのは落ち葉を踏みしめる自分の足音だけ。
ところが途中で妙な違和感を覚えた。
足を止めても「カサ…カサ…」という音がまだ続いている。
振り返ると誰もいないはずなのに、落ち葉がひとりでに沈み、そこに確かに足跡のような形が残っていた。
風に舞う葉の間から、白く細い何かがうごめいたのを見て、僕はぞっとして目をそらした。
背後から、もう一人分の足音がぴたりと寄り添うように追ってくる。
振り返る勇気もなく、僕はひたすら出口へと歩を早めた。
ようやく公園の外に出たとき、足音はふっと消えた。
振り返れば、ただ落ち葉が舞っているだけだったが、背筋に冷たい汗が流れていた。
その夜、部屋に戻ってからも落ち着かない気配がまとわりついていた。
窓の外で「カサ…カサ…」と葉擦れの音が響いたとき、僕はもう耳を塞ぐしかなかった。
後日談
数日後、その公園で奇妙なニュースが流れた。
落ち葉の山を片付けていた作業員が、人骨を発見したのだという。
しかも、それは何十年も前に行方不明になった人物のものらしい。
記事を読んだとき、あの夜、僕の後ろを歩いていた足音の正体を思い出し、全身が震えた。
落ち葉の下から伸びてきた指は、やはり助けを求めていたのだろうか。

落ち葉の山…まだ誰か、下で待ってるよ





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