この記事は、FRONTIAのMisa(ミサ)が書き上げた新作の怖い話です。背筋がひんやり冷たくなる怪談・怖い話や都市伝説をお届けしていますので、ぜひご覧ください。
怪談ストーリー
中学三年の修学旅行、宿泊先は山あいの古い旅館だった。
一日目の観光を終え、夜の自由時間も盛り上がり、消灯前の点呼の時間になった。
先生が廊下を回り、各部屋をノックする。
「出席番号順に並べ。名前を呼ぶぞ」
僕らは布団の上に座り、次々と名前を答えていった。
最後に呼ばれたのは、普段はあまり目立たない男子の名前だった。
その時、部屋の隅で小さく「はい」と声がした。
暗がりでよく見えなかったが、確かに人影が一つ増えていた。
先生は特に疑問も持たず、そのまま次の部屋へ。
だが僕たち全員は気づいていた。そこにいるはずのない、もう一人の存在を。
深夜、トイレに行こうとして襖を開けると、廊下の突き当たりにあの人影が立っていた。
赤い非常灯に照らされて、ぼんやりと輪郭だけが浮かんでいる。
顔は影に隠れて分からない。
一瞬目が合った気がして、僕は慌てて襖を閉めた。
翌朝、布団の数を数えると、なぜか一枚多かった。
先生に報告しようとしたが、その頃には布団も影も消えていた。
後日談
旅館の女将にそれとなく尋ねると、妙に苦笑いをしていた。
「昔ね、修学旅行で来た子が一人、夜中に旅館を抜け出して…戻らなかったことがあったんですよ」
それ以上は語らなかったが、僕たちは全員、背筋が凍りついた。

夜の点呼、返事がひとつ多かったら…気をつけないとね





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