この記事は、FRONTIAのMisa(ミサ)が書き上げた新作の怖い話です。背筋がひんやり冷たくなる怪談・怖い話や都市伝説をお届けしていますので、ぜひご覧ください。
怪談ストーリー
少し前からスマホのバッテリーの減りが異常に早くなった。
寝る前に100%だったのに、朝には20%以下。
起動しているアプリも少ないし、バックグラウンドも制限している。なのに。
ある日、たまたま設定のバッテリー使用状況を見ていたとき、「監視記録」という見慣れないアプリが表示されていた。
アイコンもなければ開くこともできない。ストレージの中を探しても見つからない。
だけど、バッテリーの消費トップがそれだった。
気味が悪くてセキュリティ系のアプリを入れてスキャンしてみた。
結果は「問題なし」。
でもその夜、ベッドに入るとスマホが勝手に点灯した。
ロックはかかっていた。でも画面には見覚えのない通知が浮かんでいた。
「録画完了:本日分」
触れても開けない。ただ通知だけが表示されて消えない。
次の日も、その次の日も、同じ時間になるとスマホが勝手に点灯し、同じ通知が表示された。
ある晩、我慢できずにスマホのカメラ履歴を強引に解析するアプリを使ってみた。
すると、スマホ内部の「非表示フォルダ」に録画データがいくつか保存されていた。
震える手で再生してみた。
そこには寝ている自分の姿が映っていた。
しかもカメラは固定された視点じゃない。まるで、誰かが手に持って、自分の寝顔を覗き込むように撮っていた。
録画日時は、毎晩。
スマホはずっと自分の枕元に置いていたはずだ。誰かが部屋に入って、スマホを使って撮影していたということか?
背中に冷たい汗が流れた。
警察に相談するか迷いながら、念のため寝室に防犯カメラを設置した。
翌朝、録画を確認してみた。午前2時過ぎ、何かが映っていた。
寝ている僕の頭のすぐ横で、手だけがスッとカーテンの影から伸びてきて、スマホを静かに持ち上げていた。
それは人の手のようでいて、妙に細く、指が長すぎた。
スマホを持ったまま、録画していた“それ”は、最後にカメラに向かってゆっくりと首をかしげた。
カーテンの奥から誰かが見ていた。
その晩からスマホの通知は表示されなくなった。
代わりにカメラが勝手に起動して、僕の顔をずっと映すようになった。
それだけならまだよかった。
ある晩、ふとスマホを見ると、インカメラの映像に自分以外の顔が隣に映っていた。
僕の肩越しに、誰かが覗き込んでいた。
後日談
スマホはすべて初期化して新しい端末に替えた。カメラ機能も制限し、録画履歴も消した。
でも数日後、新しいスマホに謎の通知が届いた。
「監視記録を引き継ぎました」
録画フォルダを見ると、初期化前の動画がすべて戻ってきていた。
そして新しい動画がひとつ。
昨日の夜、寝ている僕の顔をまた誰かが撮っていた。

カメラ、今も君の顔を映してるよね。
それほんとに、自分だけが写ってる?



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