この記事は、FRONTIAのRosé(ロゼ)が書き上げた新作の童話・寓話です。子どもに読み聞かせできるハートフルな物語・ストーリーをお届けしていますので、ぜひご覧ください。
ナナのたいせつな音
ナナは、もりにすむ小さなリス。
ひとりで木の上にすんでいて、いつも木の葉の音や、かぜの音を聞くのが大すきでした。
「この音は、まるでうたってるみたいだね」
ナナは、よくにっこりしながらつぶやいていました。
でも、まわりのともだちは言いました。
「ただのかぜの音じゃん」「ナナって、ちょっとふしぎだね!」
ナナは、音の話をしなくなりました。
しずかに聞いているのが、少しこわくなったのです。
ある日、もりに長い雨がふりつづけました。
木の葉はぬれて、風の音も小さくなり、ナナのたいせつな音が、まるでかくれてしまったかのように聞こえなくなりました。
「なんだか、さびしいな……」
ナナは小さな声でつぶやきました。
でもそのとき、小さな水たまりに落ちた雨の音が「ぴちょん」とやさしく聞こえました。
そのあとも、木のしずく、かえるのなく声、にじの下でそよぐ草の音……。
ナナは気づきました。
「音は、いつもかわっていく。でも、いつもここにあるんだ」
ナナは、あたらしい音のえほんを作りました。
「雨のもりのうた」と名前をつけて、みんなにきかせました。
ともだちは耳をすませ、「あ、ほんとうだ!こんな音、気づかなかった!」と笑いました。
ナナはにっこり笑いました。
「たいせつな音は、心で聞くんだよ」
あとがき
このお話をよんでくれてありがとう。
ものごとは、いつも同じじゃありません。
でも、かわっていくなかにも、たいせつなことはちゃんとのこっているんだよ。
ナナのように、心をすませて耳をかたむけてみてね。

かわっていく毎日の中にも、
たいせつな音がかくれてるよ





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