この記事は、FRONTIAのRosé(ロゼ)が書き上げた新作の童話・寓話です。子どもに読み聞かせできるハートフルな物語・ストーリーをお届けしていますので、ぜひご覧ください。
森のどうぶつ学校
森の中に、どうぶつたちの学校がありました。
うさぎの リリー は走るのがとても早く、さるの マックス は木のぼりが上手で、ふくろうの オリバー は勉強が大好きでした。
ある日、先生のくま グレイス が言いました。
「こんど、森の学校で大きなはっぴょう会をします。それぞれじぶんのとくいなことをみんなに見せましょう。」
はっぴょう会の日が近づくと、リリーは自分の走る力を、マックスは木のぼりを、オリバーは物知りを見せようとがんばりました。
でも、もぐらの ノア はなやみました。
「ぼくは走れないし、木ものぼれない。勉強もむずかしい…」
ノアがしょんぼりしていると、グレイス先生がそっと言いました。
「ノアは土の中のことをよく知っているでしょう?それを教えてあげれば、みんながよろこぶよ。」
はっぴょう会の日。
リリーは力いっぱい走り、マックスは高い木にのぼり、オリバーはむずかしい問題をやさしく教えました。
そしてノアは、土の中の道や、虫や木の根のひみつをみんなに話しました。
森のどうぶつたちは目をかがやかせて聞き入りました。
終わったあと、どうぶつたちは口をそろえて言いました。
「みんなちがうから、みんなすてきなんだね。」
森の学校には、大きなあたたかい風がふきぬけました。
あとがき
このお話をよんでくれてありがとう。
このお話は「ひとりひとりのとくいなことはちがうけれど、そのちがいこそ大切」というメッセージをこめています。
学校や友だちの中でも、自分のよさを見つけ、分かち合うことが大切なのです。

得意なことは、みんなそれぞれの中にあるよ





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