この記事は、FRONTIAのRosé(ロゼ)が書き上げた新作の童話・寓話です。子どもに読み聞かせできるハートフルな物語・ストーリーをお届けしていますので、ぜひご覧ください。
海の小さなひかり
青い海の中に、小さな魚の ルナ がいました。
ルナは体が小さくて、いつも大きな魚たちの後ろをついていくだけでした。
ある日、海の学校で先生のイルカ エリオ が言いました。
「こんど海の広場で、みんなでうたをひろうします。それぞれの声をあわせて、大きな合しょうをしましょう。」
大きな魚の マリオ や ステラ は元気な声で歌いました。
ルナは小さな声しか出せず、こっそりかげにかくれてしまいました。
「わたしの声なんて、だれにも聞こえない…」とルナは思ったのです。
本番の日、広場にはたくさんの魚たちがあつまりました。
合しょうが始まると、大きな声の魚たちの歌がひびきました。
でも海の深いところまでは声が届かず、下にいる小さな魚やカニたちには聞こえませんでした。
そのとき、ルナが思いきって歌いました。
ルナの声はやさしくて、波にのって深いところまでひろがっていきました。
下の方にいた魚やカニたちはうれしそうに顔をあげました。
歌が終わると、エリオ先生が言いました。
「大きな声も、小さな声も、どんな声も大切です。ルナの声があったから、みんなに歌が届きましたよ。」
ルナは心があたたかくなり、自分の小さな声に力があることに気づきました。
あとがき
このお話をよんでくれてありがとう。
このお話は「小さな力も、みんなをつなぐ大切な力になる」というメッセージをこめています。
大きいも小さいも関係なく、それぞれのよさを出し合うことで、世界はもっと豊かになるのです。

小さなひかりが、海を明るくしたね





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